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天晴れである! [ボクシング]

それは、「無謀なマッチメイクだ」と言う人もいただろう。

今現在、軽量級最強と称されるボクサーとの対戦は、

タイトルを守りたいチャンピオンならば避けたかったはずなのだ。

だが、彼は受けて立った。

9月5日のWBC世界フライ級タイトルマッチ、チャンピオン八重樫 東は

38戦32KO無敗の挑戦者ローマン ゴンザレスに敗れ、タイトルを失った。

imagesGHB97MAG.jpg 普通、母国のチャンピオンが負けた試合は、

落胆とため息が会場内を埋め尽くすものだが、この試合に関しては違っていた。

負けた八重樫に、「よくやった」と拍手とねぎらいの言葉がかけられたのだ。

それは、会場に集まったファンが何を見たかったか、はっきりと示していた。

もちろん、八重樫が勝つことを望んでいただろうが、

チャンピオンとして逃げずに闘うその姿を見たかったのだ。

本人も、一人のボクサーとして   imageqs.jpg

強い相手とやってみたいという気持ちが、少なからずあったのではないか?

しかし、不思議なものである。 彼のジムの会長である大橋秀行さんも、

WBC世界ストロー級チャンピオン時代、

当時怪物ボクサーと騒がれていた

リカルド ロペスの挑戦を受け、

同じようにKO負けを喫している。 

ロペスは同タイトルを22回も防衛した無敗の名ボクサーだ。

この師あればこの弟子ありではないが、

なにか因縁の様なものを感じてしまうのは、私だけだろうか・・・

チャンピオンという地位は、難しものである。 

格下相手では、KOか大差判定でハッキリとした決着を求められる。

弱い相手ばかり選んで防衛回数を増やしても、ファンは決して認めない。

強い相手でも逃げずに迎え討ち、

打ち倒して勝つ! そういうチャンピオンを、ファンは望むのだ。

たとえ負けたとしても、その勇気や雄姿に感動をもらうのである。

まあ、何はともあれである。 ygs138391.jpg

負けたにせよ、ファンを感動させ清々しい気分にさせてくれた

八重樫 東というボクサーに、私は心から拍手を送りたい。 

 

それにしても強かったなー、ゴンザレス。

野性味溢れるというより緻密でクレバーな感じだけど、やっぱり強かった・・・^^;


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2012 ボクシング観戦録 [ボクシング]

3/15、西岡 利晃はWBCスーパーバンタム級の終身名誉王者に昇格した。

世界チャンピオンの上に、

なぜ「名誉」や「スーパー」というチャンピオンの座があるのか?

今のボクシング界の現状は理解に苦しむが、

西岡が世界的に認められたボクサーになった事だけは確かだ。

彼は、かねてから熱望していた現在軽量級で最強と言われる、

4階級制覇のIBF WBOスーパーバンタム級チャンピオン ノニト ドネア 

との対戦を8月に実現させる。 

n1.jpg

結果、9回TKOに敗れ、その後引退をした。

12年に渡って世界のトップクラスに君臨し、王座を7度も防衛したのだから、

日本の歴代チャンピオンの中でも、屈指の実力者であったのは間違いない。

お疲れさまでした。 n2.jpg 

貴方は素晴らしいボクサーで、そして強いチャンピオンでした。

ミニマム級では、日本人同士の統一世界戦が行われた。

WBC世界ミニマム級チャンピオン、井岡 一翔と

WBA世界ミニマム級チャンピオン八重樫 東が6/26に激突したのだ。

i2.jpg

フルラウンドの攻防ではあったが、井岡のテクニックとパワーが勝り、

井岡が日本人初の統一チャンピオン に輝いた。

その後、彼はベルトを返上しライトフライ級に階級を上げた。

そして、12/31に行われたWBAライトフライ級タイトルマッチで、

ホセ ロドリゲスを6回TKOで破り、2階級制覇を達成した!

i1.jpg

本来の階級だったとはいえ、その力強さは寒気を催すほど凄かった。

圧勝とは、まさにこの事を言うのだろう。

1年の間に2つの偉業をやってのけた井岡に、今年も期待大だ。

 

7/16の5度目の防衛戦は、3回に偶然のバッティングによる引き分け防衛し、

世界戦の連続KO勝利が5でストップしてしまった、

WBAスーパーフェザー級チャンピオン内山 高志だが、

12/31には、そのうっぷんを晴らすが如く暫定王者ブライアン バスケスを、

8回終了間際 怒涛の50連発 でTKOにねじ伏せ、V6を達成した。 

u1.jpg いやはや、とにかく強い。

もはやWBAでは敵がいない感があるが、今後は統一戦とか世界進出とかを

考えていかねばならぬ。 アメリカの舞台で戦う彼の雄姿を見てみたいものだ。

y1.jpg この画像を見ている限りでは、

とてもボクサーには見えないんだけどね。^^;

一昨年の11月に 9連続KO勝利 WBC世界バンタム級チャンピオン

になった、山中 慎二である。 今最も勢いがあるボクサーなのである。 

4/6の初防衛戦は判定勝利だったが、

11/3の防衛戦は7回失神KOでV2を達成した。 

「神の左」と呼ばれる、

y4.jpg 恐ろしく切れる左ストレートが武器だ。 

たくさんのKOの山を築いてきた彼だが、私は彼のディフェンス力も評価したい。 

目が良いのか上手く相手のパンチをよけるが、特に顔に受けたパンチを

首を振って威力を半減させる「スリッピング アウェー」を得意とし、

試合後の勝利インタビューではいつも顔が綺麗なのだ。 

相手のパンチ力をうまく殺して、自分のパンチを的確に当てるのだから、

強いはずだよね。 今年4/8には12回TKOで防衛を果たしたばかりである。

y2.jpg

V1 ビック ダルチニャン V2 トマス ロハス V3 マルコム ツニャカオ・・・

いずれも元世界チャンプの実力者を破っての防衛3 だから、

彼の実力が見て取れよう。。。

この記事を書いた4/14現在、日本人の世界チャンピオンは9人。 

過去最多である。 もし、IBFが日本公認団体として認められれば、

IBFミニマム級チャンピオン高山 勝成をいれて10人となる。

多ければ良い・・・というわけではないが、

これをきっかけにしてボクシングが盛り上がって欲しいと願う、今日この頃である。


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2011 ボクシング回顧録 ③ [ボクシング]

「速い!編」

 

ボクシングは、同じ体重同士が戦う階級制のスポーツである。

プロでは、ミニマム~ヘビー級まで17階級に分かれているが、 

バンタム級辺りまでの、いわゆる軽量級は日本人の体格に合ったクラスで、

過去多くの世界チャンピオンを輩出してきている。

その中で最も体重が軽い(47,61kg以下)のが、ミニマム級である。 

このクラスの醍醐味はといえば、

パンチやフットワークのスピード感にある。

人間が、ここまで速くなれるものなのか?

と感心しきりの速さを持つボクサーがひしめいているのである。

WBC世界ミニマム級チャンピオン

 よッ、世界一!.jpg  井岡 一翔  この男、とにかく速い!

2階級制覇した井岡弘樹をおじさんに持つ彼は、アマチュアでの戦績が長かった。

なので、スマートなアウトボクサーかと思ったら、以外にも前進してプレッシャーを

かける攻撃型だったので、少々驚いた。 

世界戦3回やって、2KO勝利だからパンチ力もあるのだろう。 

スピードと切れで倒すパンチの質であるようだ。

そんな井岡の、スピード違反的な速さを少し検証してみよう・・・

速さ その1 

プロデビューして、たった7戦目で世界チャンピオンになってしまった!!

今までの日本記録は辰吉丈一郎と名城信男の8戦目だったのだが、

わずか16分あまりで、あっさり記録を作ってしまった。

                (ちなみに、世界記録は3戦目だそうです・・・)

速さ その2

タイトル奪取したフィニッシュ ブローが、

         スローVTRでないと見えなかった事!!

特にスピード身上のミニマム級は、KO決着が意外と少ないのだ。 

それが、左のボディ ブロー1発で決めてしまったのだから、驚いた! 

そのパンチは、試合中速過ぎて見えなかったのだ。

相手が倒れてから、「何が起こったんだ?」 と思った位だもの。

              ぼでぃ~~.jpg 

 

速さ その3

去年の大晦日の2度目の防衛戦が、1ラウンドKO勝利だった事!!!

勝負の世界だから何とも言えないが、速過ぎるでしょ?

困ったでしょうね、TV局。。。 (笑

早いぞ1.jpg  彼は今後、階級を上げてくるだろう。

まだ若いし、体ももう少し大きくなるだろうからね。 おじさんが果たせなかった、

3階級制覇視野に入れているであろうか・・・これからが楽しみな逸材である。


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2011 ボクシング回顧録 ② [ボクシング]

「強い!編」

2011年、強さを最も強烈にアピールしたボクサーは、

WBA世界スーパーフェザー級チャンピオン

 ダイナマイト!.jpg  内山 高志 ではないかと思うのだ。

「ダイナマイト」と称されるパンチ力に加え、高いディフェンス力をも誇る、

攻防バランスの取れたナイスなボクサーなのである。

今いる日本の世界チャンピオンの中で、一番強いのではないだろうか。

KO率歴代NO,1のその拳は、破壊力抜群だ。

        おりゃ~~!!.jpg

 見よ! この日本人離れした筋肉、

          リーチの長さ、顔の小ささ!!

試合をコントロールするリードジャブは、スピードがあって伸びも凄い。

しかし、なにより彼の強さを印象付けたのは、去年初めの3度目の防衛戦である。

試合序盤、効き腕である右手首の脱臼に見舞われた彼は、

しかし驚く事に、左一本で相手を叩き潰してしまった。 

8回終了後棄権した相手は、「殺されると思った」そうである。^^;

彼のパンチ力も然る事ながら、パンチを当てる上手さをも身につけている、

まさにオールラウンドで戦えるチャンピオンである。

        強いぞ!.jpg

彼も32歳、ボクシングの世界では遅咲きの部類に入る。

若き世代が中心になる事が多いスポーツではあるが、

ジム側や本人の調整、体調管理、トレーニング次第では、

30歳を超えて尚、進化し続ける事が出来るようになった。

11ヶ月ぶりの試合になった、去年の大晦日の4度目の防衛戦。

怪我をした右腕が使えない間、代わりに鍛えていた

左のフック1発で、相手を失神KO! 

鮮やかに年を締めくくってくれた。 

現在、世界戦5連続KO勝利中。 今年も記録を伸ばす事が出来るか・・・

その 「強さ」 を、ぜひとも誇示してもらいたいものである。 


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2011 ボクシング回顧録 ① [ボクシング]

 

「凄い!編」

 

今現在、日本ボクシング界には8人の世界チャンピオンがいる。

過去最多だそうだ。 喜ばしい事である。

しかし、中にはなぜコイツが・・・?と首をかしげる輩もいるが、

まあ、世界団体が認めているのだから致し方ない。^^;

そんな中でも、2011年のボクシングの顔といえば・・・

WBC世界スーパーバンタム級チャンピオン

 にしおか~・・・.jpg  西岡 利晃 やはり、この人しかいない!!

 

彼は現在35歳の、遅咲きのチャンピオンだ。

プロデビューは96年。 頭角を現してきた2000年頃は、

「最も世界に近い男」として騒がれていたバンタム級のホープであった。

その勢いに乗って、当時のWBCバンタム級チャンピオン ウィラポンに

4度挑戦するが、結果は2敗2分け。 さらにアキレス腱断裂という

アクシデントにも見舞われ、あと一歩届かず苦汁をなめるのである。

この時点で、もう、西岡の時代は終わったと、ファンは思ったはずだ。

だが、彼は諦めてはいなかった。 

階級を一つ上げ、ボクシング一筋に頑張った結果、

2008年32歳にして、ついにチャンピオン ベルトを腰に巻くのである。

  すごいぞ!.jpg

小刻みなステップで相手に的を絞らせないテクニックと、

1発で相手を倒せる「モンスター レフト」と呼ばれる左腕を武器に、

現在まで7連続防衛中。 7度目の防衛戦では、ボクシングの本場ラスベガスで、

世界的に名のある相手を見事に完封して、その名を世界に轟かせた。

今や、世界的にその実力を認められている日本人ボクサーなのである。

若い頃の挫折を、不屈の闘志で乗り越えたその「諦めない心」が

何より「凄い!」のである。

                 サムライ.jpg        

ジム側は、彼の年齢を考慮して、次の試合で引退と公言している。

それもありだろう。 長きに渡ってボクシングに精進してきたのだから。 

ラストファイトは、それに相応しい相手になりそうだ。

勝敗に関係なく、最後まで自分のボクシングを貫いて欲しいものである。


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乗り越えた者 [ボクシング]

 

人生は、時々目の前に大きな「壁」が立ちはだかるものらしい。

そして、その人が乗り越えられる「壁」が立ちはだかるという。

ただし、その為には「努力」して「苦難」を跳ね返さなければならないが・・・

 

11月26日、プロボクサー 長谷川 穂積は、

WBC世界フェザー級のタイトルを奪取し、弟分の粟生 隆寛と共に

2階級制覇を成し遂げ、見事に「壁」を乗り越えてみせた。

彼には3つの壁が立ちはだかっていた。 でかした!!.jpg

 

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① 4月に10度防衛していた

   WBC世界バンタム級のタイトルをKO負けで失ったこと。

 

   選手生命が短いボクシングの世界では、

   たった1つの負けがボクサー人生を左右することがある。 

   ましてや、彼は約9年ぶりの負けである。

   精神的ショックは相当なものだったと想像できる。

 

② 再戦を熱望したが実らず、

   2階級上のフェザー級でのタイトル奪取を決断したこと。

 

  階級を上げるなら、1つ上のスーパーバンタム級だと思っていたが、

  一気に2階級とは驚いた。 バンタム級とフェザー級は約3.5kgの

  体重差である。 ボクシングの世界では、たった1~2kgの増減が

  ボクサーの力を左右する。 自分の能力が最大限に生かせる階級に

  体を絞り込むことで、ようやく相手と対等に戦えるのである。

  バンタム級では屈指と言われたパンチ力が、体格も持久力も格上の

  フェザー級でどこまで通用するか・・・

 

③ その試合約1ヶ月前に、母親を亡くしたこと。

 

  ガンを患っていた母親の治療費は、

  長谷川のファイトマネーから出ていた。

  大きなモチベーションの欠落が、どう試合に影響するのか。

  最愛の人を失って失敗したボクサーは、世界中にいくらでもいるのだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あっぱれ!!.jpg

彼らしくない試合ではあった。 

本来スピードを活かした攻撃が心情なのだが、

私にはあえて足を止めて打ち合ったようにも見えた。 

そして、予想どおり彼のパンチは、

まだフェザー級でダウンを奪えるほど

鍛えられてはいなかった。 

それでも勝利を呼び込んだ最大の要因は、

「どうしても負けられない」

という強い意志が、相手より勝ったためだろう。

 

長谷川 穂積は、また日本ボクシング界の中央に帰ってきた。

彼がフェザー級に慣れるまで今しばらくかかるだろうが、

次の防衛戦までには

攻略してくれるだろうと信じたい!

来年の3月、再び腰にベルトを巻く姿を夢に見つつ、

逆境を跳ね返した「長谷川陣営」に、心からのエールを送ろうと思う。。。


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仕方がない・・・ [ボクシング]

 

どんなに有利な展開でも、

ワン パンチで形勢逆転するのがボクシングなのだ。

4月30日、WBC世界バンタム級タイトルマッチ。

長谷川 穂積の11度目の防衛戦は、そういう試合だった。

誰もがまさか!! と思ったに違いない。

もはや敵なしと思えたほどの強いチャンピオンが、

4ラウンドTKO負けするとは・・・

だが、私には一抹の不安があった。  zannnenn.jpg

今回の相手であるフェルナンド モンティエルは、他団体であるWBO

3階級を制覇した現役バンタム級チャンピオンだ。 当然強い。 

だから勝負は五分五分だと思っていた。

そしてもう一つ・・・

いつもはTVを見ながら録画もしているのだが、その日はPTAの会合が

あったので、時間通りに見ることが出来ずに録画予約をしていた。 

私がTVの前に座っていない試合は、ほぼ100%の確立で

応援しているボクサーが負けるのである!!

この悲しいジンクスが見事に当たってしまったのだ。(涙

 

長い間防衛を続けていたチャンピオンにとって、

久しぶりの負けは相当の精神的なダメージを負うという。

その多くが、そのままグローブを置くのである。

防衛回数10は、なんら恥じる事のない立派な記録だ。

しかも彼は、この頃のチャンピオンによくある弱い相手を選んで

防衛回数を稼ぐなどという愚かな行為はしなかった。

ランキング上位の強いチャレンジャーを

打ち倒して成し得た記録だ。

その重さが違うのである。

 

今回のように他団体との王座統一戦は、あまり行われないケースだ。

実現できた理由の一つとして、所属するWBCのバンタム級では

長谷川が強すぎて対戦相手がいなくなってしまった事が上げられる。

勝てる相手とより、強い相手と戦う事を選らんだ長谷川陣営の判断は、

負けたとはいえ正しかったと私は思う。 そうでなければ、

世界的に認められるボクサーが日本から生まれる事はないのである。

hasegawa.jpg 

今後は本人次第ではあるが・・・

私個人としては、もう一度彼がリングに立つ姿を見てみたい。

リベンジもいいだろう。 階級を上げてもいいだろう。

あれだけのスキルを持ったボクサーだ。 

このまま散るのは惜しい・・・と思うのである。


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ビッグ マッチ [ボクシング]

 

ボクシングの世界では、世界チャンピオンになる事は難しいが、

チャンピオンの座を防衛する事はさらに難しい・・・と言われる。

それと同じように、ファンの記憶に残る試合に巡り合うなんて、

滅多にない事なのである。

 

 yakushiji.jpg 元WBCバンタム級チャンピオン

                  薬師寺 保栄(やすえい)

彼は、日本ボクシング界世紀のビッグ マッチの主役になったのである。

 

当時の日本の世界チャンピオンのほとんどは、東京のジムに所属する

ボクサーだった。 そんな中、名古屋のジムで2人目の、

しかも日本人に馴染みの深いバンタム級でタイトルを奪取!

2回の防衛戦をKO勝利で飾ったのだから、大したものである。

日本中で話題になってもおかしくはない。

だが、薬師寺の人気は全国区にはならなかった。

何故ならその時代、バンタム級には

     10310993.jpg  辰吉 丈一郎 がいたからだ。

チャンピオンからは陥落していたが、その強烈なカリスマの影に、

現チャンピオン薬師寺は、完全に隠れてしまっていた。

 

だが、2人は巡り会う。

怪我から復帰した辰吉が暫定チャンピオンになると、

王座統一戦が用意されたのである。

日本人同士、正規と暫定チャンピオン同士。

異常なほどの盛り上がりの中、1994年12月4日、

薬師寺3度目の防衛戦は、世紀のビッグ マッチとなった。

 

戦前の予想は、辰吉有利。 私もそう思っていた。 

試合が始まると、やはりファンが喜ぶ「殴り合い」仕掛ける辰吉。 

相手をロープに詰めて連打を繰り出す。 

だが薬師寺は、勝負に徹していた。 辰吉の連打を冷静に

ブロックし、いなし、自分のパンチを正確に当てていったのです。 

どちらも逃げなかった。 

ダウンシーンはなかったが、フルラウンド手を出し続ける

両者の意地がぶつかり合う、好ファイトでした。

僅差の判定で、勝者は薬師寺に。

そしてこの試合は、日本ボクシングの歴史に名を刻んだのです。

 

  画像 007.jpg

 

一度もダウンせずに引退していった薬師寺 保栄。

対戦相手が死亡する・・・

というアクシデントを乗り越えて世界の頂点に立った強い心は、

「辰吉」という大きな壁を

                見事乗り越えてみせたのです。


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モチベーション [ボクシング]

 

世に名を轟かせたアスリートには、必ず代名詞」がある。

得意技とか・記録とか・名シーン・名台詞など・・・

ファンの記憶に残る「瞬間」を持っているものである。

 

元WBA世界スーパーフェザー級/ライト級チャンピオン

    070509_part02_16.jpg    畑山 隆則

彼のベストバウンドは、

ボクシングファンの記憶に残る、名勝負でした。

 

スーパーフェザー級王者陥落後、ボクシングを引退し、芸能活動などを

行っていた彼だが、2000年、突然の復帰宣言。

そして復帰戦が、いきなり世界タイトルマッチに決まる。

彼は見事に勝って、日本人4人目の2階級征派を達成したのであるが、

その勝利後のインタビューで、次の相手をリング上から指名した。

それが「平成のKOキング」と呼ばれた、坂本 博之 だったのである。

                     e445e2b5.jpg

畑山のライト級王者挑戦が発表された後、ボクシングファンの間では

「坂本の方が畑山より強いのではないか・・・」という囁きがあった。 

チャンピオンにはなれなかったが、過去三度の世界挑戦で見せた坂本の

勇姿を、それまでの豪快な勝ちっぷりを、ファンは知っていたからである。 

畑山はおそらく、ライト級王者になったら坂本と試合をして、

どちらが強いかハッキリさせてやろうと、試合前から

心に決めていたのだろう。

 

かくして2000年10月11日、2人は対戦するのです。

そして2人のボクシングスタイルの違いが、この試合を盛り上げるのである。

戦前の予想は、ボクサーファイターである畑山の

スピードを活かしたミドルレンジ(中間距離)からの攻撃を、

ファイターである坂本がどう掻い潜ってショートレンジ

(至近距離)の打ち合いに持ち込むか・・・であった。

 

          hatakevssakamoto1.jpg

 

だが、予想は裏切られた。 

チャンピオンは自慢のスピードを使わず、

強打のチャレンジャーを 正面から受けてたった のだ!

こうなると、チャレンジャーも引けない。 

自分の得意分野で 負ける訳にはいかないからだ。 

当然、乱打戦となり、

試合は白熱したのである!

しかし、チャンピオンはクレバーだった。 乱打戦の中でも相手のパンチを

巧みにブロック、自分のパンチを的確に当てていった。 そして10ラウンド、

開始早々に放ったチャンピオンのワンツーが、顔面を綺麗に捉え、

チャレンジャーはゆっくりとキャンバスに崩れていったのだ・・・

この試合は、近年稀に見る「好ファイト」として、

ファンの記憶に刻まれている。 

打たれながらも前進を止めなかった

坂本の闘志に、逃げずに堂々と打ち勝った

畑山の気迫に、感動を覚えたのである。

 

畑山はこの2試合後、「彼らしくない試合」で王座陥落から引退をするが、

それは致し方ない事だと思うのである。

なぜなら、彼は坂本との戦いで、

ボクサーとしてのモチベーションを

全て使い切ってしまっていたからだ。

「世紀の一戦」後の勝利者インタビューで、

アナウンサーの 「次は、何を狙いますか?」 との質問に、

「ないですね~~。」 と答えている。

彼はこの試合で「完全燃焼」していたのである。

きっと、このまま引退しても思い残す事がないくらいに、

声と笑顔は爽やかだったのだ・・・

                           19861418.jpg


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ご褒美 [ボクシング]

 

ボクシングの華と言ったら、やはりKOシーン である。

相手を倒して自分の力を誇示するボクサーに、

ファンは憧れを抱くのである。

 

元WBC世界ジュニアウェルター級チャンピオン

     hamada_photo.jpg   浜田剛史

彼は、歴代の日本人世界チャンピオンの中でも、

      KO率NO,1 スラッガーなのです。

 

ある対戦相手が、彼のパンチでKOされてしまった。

控え室で我に返った対戦相手は、こう言ったという。

「あれは本当に人間のパンチだったのかい? 

    オレはコンクリートの塊が付いた棒で

              殴られたかと思ったんだぜ!!」

浜田のパンチ力がどれほど凄いか、想像つくでしょう。

 

しかし、ハードパンチャーの宿命は彼にもやってきます。

81年の試合で、彼は利き腕の左拳を骨折。 

その後計4度の骨折で、2年のブランク 作ってしまいます。 

普通、2年も試合が出来なかったら、イヤになってボクシングを

止めてしまうと思うのですが、彼は違いました。

左拳が治る2年の間、

彼は右のパンチを鍛えていたというのです!

その恐るべき精神力で復活した彼は、ブランクを挟んで

15連続KO勝ちという日本記録を樹立します。

そして86年、ついに世界タイトル戦に辿りつくのです。

 

                 18.jpg

試合はあっという間でした。

1ラウンド終了間際、浜田の右がチャンピオンの顔にヒット!!

2発、3発めで、チャンピオンはマットに大の字に伸びてカウントアウト。

たった3分で、彼は世界の頂点に立ってしまうのです。

 

1ラウンド目から相手を倒しに行って、もぎ取ったチャンピオンベルト。

浜田剛史には、そうしなければならない理由がありました。

 タイトルマッチの前年に、

         右膝を壊していたのです。

長丁場では膝が耐えられないと知った上で、

あえて強打のチャンピオンに、正面から向かっていったのです。

その勇気ある決断に、胸を熱くさせられます。

そして2度目の防衛戦、自分がベルトを奪った相手にKOで破れると、

「(この膝では)これ以上、ちゃんとした試合が出来ないから」と、

決まっていたリターンマッチを放棄し、潔く引退していきました。

 

私は、こう思うのです。

満身創痍で掴んだ世界チャンピオンという称号は、

数々の試練に耐え、諦めずに這い上がってきた浜田剛史への、

「ボクシングの神様」からの「ご褒美」

                  だったのではないかと・・・


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